今回は、海洋生物資源科学科3年生編です。

3年生は、新学期がスタートして早々に、人生を左右する?かもしれない、研究室選びに取り組みます。

研究室選びは、通常、4月にアンケート調査が行われ、5月上旬には決定されます。しかし、今年度はコロナの影響により、9月に研究室選びが実施されました。

海洋生物資源科学科には、現在、8研究室があります。研究室に入室できる人数には制限が設けられているため、入室したい研究室を決めている学生の中には1年生の頃から準備する者もいます(成績、単位取得状況、学生実験に取り組む姿勢、熱意?など・・研究室毎に入室基準は異なります)。幸い、令和2年度は、大部分の3年生が希望する研究室に入室することができました。

令和2年度 海洋生物資源科学科の研究室

研究室名専門分野(主な取り組み)
海洋生物生理学研究室水生動物の生理学(哺乳類,魚類,その他の生物の環境適応 などに関する研究)
水産遺伝育種学(品種改良や遺伝資源保全)
水圏生物病理学研究室魚病学(養殖場・水族館・天然水域でみられる魚病の研究)
魚類免疫学(魚類ワクチンに関する基礎研究)
増殖環境学研究室化学生態学(フグ毒の役割・生合成機構解明)
海洋天然物化学(海洋生物からの新規有用成分の探索)
生物機能化学研究室生理生化学(捕食者が被捕食者の脳に与える影響と進化の研究)
分析化学(骨格筋の脂質代謝,イメージング)
海洋生物資源利用学研究室水産利用学(海洋バイオマスの有効利用・関連酵素研究)
水産食品化学(水産物の貯蔵・加工特性に関する研究)
海洋環境学研究室生物海洋学(物理・化学環境,プランクトン,食物連鎖・網, 物質循環)
深海生物学(深海性無脊椎動物の環境適応機構に関する研究)
水族生態学研究室生態学(魚類・無脊椎動物・は虫類・鳥類・食物網・生態系)
進化生態学(干潟生態系・外来種・種多様性に関する研究)
魚群行動計測学研究室魚群行動学(感覚,行動,釣漁具)
行動生態学(サケ科魚類を中心とした繁殖行動に関する研究)

 ※他にも多くの研究活動に取り組んでいます。海洋生物資源科学科HPの研究室

紹介サイトもご覧ください http://www.msr-nihon-university.org/labs/

入室決定後、3年生は所属する研究室の演習、実習、学生実験等に参加することで、就職活動や卒業研究に向けて、情報収集や、専門分野に関する技術習得を目指します。下の画像や写真は、今年度の演習で利用された教材の一例(左)と、実習風景(DNA解析をトレーニング中)の一コマ(右)です。

共同乗船実習を行っている研究室もあります。下の写真は、北海道大学水産学部の練習船「おしょろ丸」で乗船実習に取り組んでいる学生達です(左)。本船は、横浜港から出港し,途中漁業実習,海洋観測,航海当直,機関部見学等を行いながら函館港を目指します。右の写真は、練習帆船「みらいへ」で実施した,航海実習で小笠原父島に到着した学生達です。自分達で帆を張り,また畳むという作業を繰り返しながら小笠原に辿り着きました。中には船酔いに苦しんだ学生もいますが、みんないい顔をしていますね(残念ながら、今年度はコロナの影響により共同乗船実習は実施されませんでした)。

最後に、3年生の科目で最も人気のあるインターンシップを紹介します(正式な科目名は インターンシップ/学外研修 といいます)。インターンシップは、所属する研究室がサポートしながら、公的機関や民間会社で実習を行う科目です。希望学生は、

・学生自身が希望する機関や会社と交渉して許可を得る

・研究室(教員)の紹介

・公募型インターンシップを利用

(事前に試験による審査があるインターンシップもあります)

などの手段でインターンシップ先を決め、夏休み等を利用して参加します。一ヶ月間近く参加する強者もいます。場所は沖縄の離島から北海道まで、内容も、水族館、養殖場、観賞魚、水産・海洋関係の研究機関から、漁業組合、動物病院、農業、教育、NPO団体、金融業まで様々です。今年はコロナの影響で例年通りという訳にはいきませんでしたが、コロナの発生件数が減っていた秋を中心に、学生達は北海道から九州に至る様々な地域でインターンシップに取り組みました。

下の画像は、今年度、北海道の水族館でインターンシップに参加した学生が作成した展示物です(ヤツメウナギを紹介しています)。

こちらは、愛知県の養鱒場(左)で、採卵に取り組んでいる学生です(右)。

下の写真は、環境教育を行っているNPO法人の活動に参加し、水槽管理業務を体験中の風景(左)、および中部地方の水産試験場で売り出しているご当地サーモンを手に満面の笑みを浮かべている学生です(右)。

大学の座学では、なかなか学ぶことができない知識や経験を積むことができるのが、インターンシップ魅力です。一方で、大学外で実施される科目のため、教員も希望学生に十分な準備をさせたうえで送り出します。また、将来の就職を考えてインターンシップに取り組む学生も多くみられます。

3年生は、この1年間で将来の進路を定め、年明けから始まる就職や進学の活動に取り組んでいきます。