北関東地域で分離された伝染性造血器壊死症ウイルス(IHNV)の遺伝的系統の変遷【研究員 難波亜紀、准教授 間野伸宏】

研究成果のポイント

  • 1970年代にニジマスの卵と共にアメリカから日本へ侵入したIHNVは、現在、複数のlineage(系統)が確認されているが、各系統の時代的変遷は不明であった。
  • そこで本研究では、1980年から現在にかけて、北関東地域で分離・保存されていたIHNウイルスを解析した。
  • 分子系統解析の結果、これまで報告されていたJゲノグループに属する静岡系統(JS)、長野系統(JN)に加え、新たな系統(北関東系統:Jnk)を見出した。更に、JnkがAとBの2つのクラスからなることを明らかにした。
  • 北関東地域では、1980年代はJnk-AとJSが主体であったのに対して、2000年代以降はJNに属するIHNウイルスが優占していた。またJnk-BのIHNウイルスも増加傾向である。

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DOI: doi.org/10.3147/jsfp.56.35

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