研究成果のポイント

  • 夜光虫は海水中よりも数十~百万倍(平均数百~数万倍)濃度が高い栄養塩類を細胞内に再生・蓄積し、夜光虫の細胞内栄養塩類含有量は現場海水中に潜在的に存在する栄養塩類プールの大半を占めました。
  • 夜光虫が再生・蓄積する栄養塩類は植物プランクトン(珪藻)が生長・増殖するのに利用できるので、プランクトン生態系内で夜光虫は栄養塩類の再生者としての役割を果たし得ることが明らかになりました。
  • 夜光虫の出現密度と最大栄養塩類排泄速度より求めた窒素・リン供給量は、一次生産速度から推定した植物プランクトンの窒素要求量の平均35%、リン要求量の平均55%を満たしており、特に夜光虫が多く出現し、なおかつ現場海水中の栄養塩類濃度が低かった4~7 月に窒素・リン要求量の大半を満たしたと推定されました。

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